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  • iwata77
  • 2025年11月12日
  • 読了時間: 6分
中国国際輸入博覧会で注目集める“空飛ぶクルマ” ハイブリッド型eVTOLの是非を問う

今年の中国国際輸入博覧会では、未来のモビリティ分野にまた新たな顔ぶれが登場しました。

航空スタートアップの天翎科(INFLYNC)は、世界初となるチルトダクテッドファンeVTOL(電動垂直離着陸機)「INFLYNC L600」のフルサイズモデルを発表。筒状のカバーで覆われたダクテッドファンを傾ける(チルトする)を採用していることが特徴となっています。



このほか、時的科技(TCabTech)、御風未来(VERTAXI)、沃蘭特(VOLANT)といったeVTOL関連企業も会場に登場。メーカー関係者は「大手は落ち着いた一方、スタートアップの参入が活発化している」と話しました。


天翎科が同日開催した発表会では、新機体「INFLYNC L600」の詳細も公開されました。

機体はハイブリッドにより航続距離を伸ばすとともにティルトダクテッドファン構造を採用。最大航続距離は600km、巡航速度は時速360kmで、操縦士1名と乗客5名を乗せることができます。


天翎科のCMO、盧懿(ルー・イー)氏は取材に対し、「2028年の型式認証取得を目指しており、商業運航を開始する予定です。初期の販売価格は2,000万元(約4億円)以内を想定しています。将来的には、高速鉄道の一等席程度の価格帯での運航を目指しています」と語りました。同社はすでに複数の試作機を製造・試験飛行しており、国内外から1,000機にのぼる受注意向を獲得しているとしています。


同日、匯天飛行汽車(フイティエン)も広州でハイブリッドeVTOL「A868」の試作機を発表しました。航続距離は500km以上、設計巡航速度は時速360km、最大6人乗りで、すでに初回の試験飛行を終えています。


ただし、ハイブリッド式eVTOLへの評価は分かれています。

ある投資家は、「ハイブリッドシステムは安全性と安定性に優れています。現状、バッテリー航続時間が短い機体が多く、ハイブリッドであれば安定した電力供給が可能です。純電動式はモーター性能への要求が高く、コストも上がる」と評価しました。


一方で、別の投資家と業界関係者は慎重な見方を示します。

「ハイブリッド機はバッテリー・モーター・燃料系統をすべて搭載するため、機体が重くなり構造が複雑化します。自動車では技術的に解決できても、航空機に応用する段階では安全リスクが残る」と指摘しました。



小鵬、次世代ヒューマノイドロボット「IRON」を発表

11月5日に開催された第7回小鵬科技日にて、小鵬(シャオペン)が自社開発による次世代ヒューマノイドロボット「IRON」を初披露しました。

 

小鵬汽車董事長の何小鵬(ホー・シャオペン)氏は、「新世代のIRONはこれまでで最も“人間らしい”ヒューマノイドロボットだ」と紹介。

IRONは“骨格・筋肉・皮膚”という三層構造を備えており、人間の脊椎を模した骨格、生体模倣の筋肉、全身を覆う柔軟な人工皮膚を採用しています。

また、頭部には3D曲面ディスプレイを搭載し、柔軟に動く両肩構造と22DOF(自由度)の精密なマニピュレーター(手)を実現。人間の動作に近いしなやかさを持つことが特徴です。





市場では、流動性が全体的に緩和していることもあり、ロボット関連分野が再び成長株の中心テーマになるとの見方が広がっています。 

国泰海通証券は、「国内外でヒューマノイドロボット産業が相次いで重要な進展を遂げており、商業化フェーズへ急速に移行しつつある」と分析。また、中信証券も「エンボディドAI(=身体を持つAI)」産業は資本・政策・企業・人材が相互に作用することで加速度的に発展している」と述べています。

 

財聯社データベースによると、関連上場企業の動きも活発です。

 柯力伝感(KELI SENSING)は、六軸トルクセンサーを活用し、ヒューマノイドロボットの手首・足首、および産業用ロボットアームや協働ロボットのエンドエフェクター向け製品をすでに開発完了し試作サンプルを出荷済みです。

 方正電機(ファンジョン)は、子会社の方徳ロボット(ファンデー)を設立し、ヒューマノイド用関節モーター分野に参入。関連する特許を約20件出願済みで、同社の第二の成長領域を狙っています。



エンボディドAI商用化の壁を超える

国内最大級のロボットOS(ROS)開発者カンファレンスのひとつであるROSCon Chinaでも今年の主役はやはり「エンボディドAI」でした。過去1年間でヒューマノイドロボット業界は爆発的な成長を遂げ、関連部品やソフトウェア、半導体などサプライチェーン全体が活性化しています。会場では、ロボット本体から基盤、開発ツール、制御モジュール、チップに至るまで、幅広い展示が並びました。



北京ヒューマノイドロボティクスイノベーションセンターの劉益彰(リウ・イージャン)所長によると、人型ロボットの販売台数は2024年の数百台から、2025年末には約2万台に拡大する見込みです。ただし、この急増の背景は研究機関や教育現場での二次開発需要によるもので、商業化にはまだ遠いと言います。


先楫半導体(シエンジー)社の担当者は、《科創板日報》の取材にこう語りました。「ロボット関連の関心は確かに高まっていますが、ロボット用チップの出荷量は実際にはまだ多くありません。」


先楫半導体は高性能マイクロコントローラやマイクロプロセッサの研究開発を主力とし、産業・自動車・エネルギー分野で事業を展開しています。現状、出荷の中心は産業用ロボットアームなどの設備で、ヒューマノイド向けはまだ準備段階です。


多くのロボットが武術を披露したり後方宙返りしたりしますが、子どもの世話ができるような実用的なロボットはほとんど存在しません。現在の産業は感知・運動・意思決定といった各技術がバラバラに進化しており、複雑な環境を理解し正確に判断できる統合した“頭脳”が欠けているのです。この技術の分断が、ヒューマノイドロボットの現実世界での汎用性不足と高い失敗率を招いており、多くの課題が残っています。


こうした状況のなか、産業界では汎用ロボットを一気に目指すのではなく、特定用途に絞った機能的ロボットを段階的に商品化しながら技術を進化させるという戦略がとられています。この方向性のもと、見回り・誘導・物流搬送といった限られたシーンが商用化の第一歩として注目されています。劉益彰氏は、「施設内の案内ロボットはすでに実用レベルに達しており、まもなく量産化が進む」と見ています。一方で、「屋外の電力検査など複雑な地形では、二足歩行型ヒューマノイドが階段や砂利道を克服できる点で強みを発揮する」と分析しました。


ヒューマノイドロボットの実用化を阻む最大の課題はコストとROI(投資回収率)です。最初に導入が進むのは工業分野だとおもわれていましたが、現実は必ずしもそうではありません。


地瓜机器人(D-Robotics)副総裁の胡春旭(フー・チュンシュ)氏は次のように述べています。「ヒューマノイドロボット等を工場に導入するには、効率とROIの要求が非常に高いのです。現在の人形ロボットは24時間稼働できたとしても、人間の1/3~1/4の作業効率しかありません。短期的には産業分野での普及は期待しにくいでしょう。むしろ、小売や無人コンビニなど定型的・構造化されたサービス環境の方が現実的です。こうした場では商品配置や動線が安定しており、データが制御しやすく、ロボットが単純作業を担うことで運営効率を高められます。将来的には車輪で移動し両腕で作業する形が主流になるでしょう。」


 (中国の情報源に基づき編集)

 
 
 

企画・運営:株式会社CONSTANCE


開催概要

2025年11月6日、上海中心(Shanghai Tower、世界第三の高さを誇る)において、「中日(成都)地方発展協力モデル区 産業マッチングおよび『蓉品出海』ビジネス交流会」が開催されました。本イベントは中日(成都)地方発展協力モデル区が主催し、株式会社CONSTANCEが企画・運営を全面的に担当しました。


  • 日時:2025年11月6日(木)14:00〜17:00

  • 会場:上海中心(Shanghai Tower)

  • 主催:中日(成都)地方発展協力モデル区

  • 運営:株式会社CONSTANCE

  • 来場者:約60社

  • 団体(JETRO、丸紅、横浜市上海事務所、竹中工務店中国法人など)


 

プログラム概要

イベントは、成都市および成都高新区のプロモーション映像上映から始まり、続いて成都高新区国際協力・投資促進局責任者と日本貿易振興機構(JETRO)上海代表所代表による開会挨拶が行われました。


その後、中日(成都)地方発展協力モデル区プロモーション、中国唯一の国家デジタルサービス輸出基地(成都)の紹介(朱雲凱氏)、竹中(中国)建設工程有限公司(*竹中工務店の100%投資中国法人)による中国事業展開事例の共有(殿谷光紀氏)、四川省一帯一路経済貿易促進会による海外展開事例発表(李東川氏)など多角的な発表が行われ、参加者から高い関心を寄せられました。


後半の「企業協力の機会交流(パネルディスカッション)」では、JETRO、丸紅、横浜市上海事務所、竹中(中国)建設工程有限公司などの代表と中国企業との間で、ビジネス環境改善と新たな協業モデルについて活発な意見交換が行われ、特にDXとGXの推進協業に関する日中企業同士の会話関係の構築に意見が一致しました。

 

CONSTANCEの役割と実施内容

株式会社CONSTANCEは、本イベントの全体企画の提案、日中双方登壇者との調整、広報資料制作、当日の運営実施までを一貫して担当しました。特に、成都高新区が推進する「蓉品出海(Rongpin to Global)」プロジェクトの海外展開方針を踏まえ、日本企業・機関との協業促進を目的としたプログラム構成を設計しました。


今後の展望

CONSTANCEは、今回の成果を基盤として、成都高新区日本海外ステーションの運営パートナー(東京)として、中日企業間の継続的な交流・投資・技術連携を支援してまいります。また、地方都市間協力の成功モデルとして、今後も企画・調査・実施の3段階で伴走型支援を両方の日中企業に提供していきます。


当日の様子

 

 


 

 


株式会社CONSTANCEについて

株式会社CONSTANCEは、中小企業診断士および国際ビジネスコンサルタントによる専門チームとして、日本とアジアをつなぐ産業プロジェクトの企画・実施・広報支援を行っています。本イベントでは、構想設計から当日運営までワンストップでサポートを行いました。

 
 
 
  • iwata77
  • 2025年10月24日
  • 読了時間: 6分
アリババが「穹徹智能(ノエマトリクス)」へ出資 ―― 中国でエンボディドAI産業の本格的資本競争が始まる


中国でAIの次なるフロンティアとされる「エンボディドAI(具身知能)」分野に、アリババが本格参入しました。上海のスタートアップ「穹徹智能(ノエマトリクス)」が同社の出資を受け、既存株主も追随。単なる資金調達ではなく、中国テック大手が“AIの実体化”を競う中でアリババが明確な立場を築いた動きです。


生成AIが普及した2023〜24年以降、関心は情報空間に留まるAIから、物理世界で行動する「エンボディドAI」へ移行しました。ロボットに代表されるこの領域では、AI×ハードウェア×システム統合の総合力が問われます。


ノエマトリクスは2023年末設立。創業者の王世全(ワン・シーチュエン)氏と盧策吾(ルー・ツェウー)氏はいずれもスタンフォード出身で、かつてロボット企業「非夕科技(フェイシー・テクノロジー)」をユニコーン企業に育てた人物です。現在は自社開発の「実世界大モデル」と力覚制御を組み合わせた「Noematrix Brain 2.0」を発表し、小売やスマートホーム大手と協業を進めています。設立から2年で5回の資金調達を実施し、すべて数億人民元(約60〜100億円)規模。今回のアリババ出資で企業価値はさらに上昇すると見られます。


他の大手も動きを加速。京東(ジンドン)は3か月で6社に出資し、世界ロボット大会の独占パートナーに就任。テンセントは「智元机器人」などに出資し、エンボディドAIの基盤「Tairos」を公開。美団(メイトゥアン)も10社超の関連企業に投資し、実装競争が本格化しています。



京東(ジンドン)は「車を造らず、車を売る」――自動車消費エコシステムを狙い、無人配送へも注力


寧徳時代(CATL)や広汽集団(GAC Group)と共同で新車を発表したニュースが話題となった京東(ジンドン/JD.com)は2025年10月、長安汽車およびCATLとそれぞれ戦略提携を締結したと発表しました。協業内容には、長安の乗用車やオートバイ、車両関連製品および部品の販売チャネル開発、また寧徳時代の電池に関する全チャネルでの消費者サービス推進などが含まれます。


複数の業界専門家によると、京東の自動車事業は製造には関与せず、主に販売・流通・アフターサービスを中心に展開しており、「車に関するすべての消費を自社エコシステム内で完結させる」ことを目標としています。


さらに、京東と長安汽車は新エネルギー無人車両の設計・開発・生産も共同で進める計画です。京東は以前から無人配送車の研究を続けており、2024年はその実用化が急速に進んでいます。長安の物流事業においても、幹線輸送やラストワンマイル配送を京東が支援すると見られます。


京東は、自動車の購入から整備、部品交換、バッテリーサービスまで、あらゆる車関連消費を自社エコシステム内で完結させる体制を構築しています。長安汽車やCATL、BYDなどと提携し、販売ネットワークとアフターサービスを一体化。特に車体と電池を分離する利用モデルなど、新しい自動車流通の仕組みを広げています。さらに、物流分野では無人車や配送ロボットの開発・導入を急速に進め、幹線輸送からラストワンマイル配送までの自動化を推進。京東は「車を売るEC企業」から、車と物流を結ぶスマートモビリティ・プラットフォームへの転換を目指しています。



AI時代の電力危機:核エネルギーに注目集まる


AIの急拡大により世界のデータセンター電力需要が急増し、北米などでは供給逼迫が深刻化しています。米エネルギー情報局(EIA)は2025〜26年に電力消費が過去最高を更新すると予測し、米エネルギー省(DOE)も停電リスクの高まりを警告。AIによる高負荷データセンターの増加で、供給網のボトルネックが顕在化しています。


ゴールドマン・サックスは2030年の世界データセンター消費電力が2023年比で175%拡大すると試算。企業は風力・太陽光などの再生エネルギーと並行して、ガスタービンや蓄電池の導入、核融合研究の実用化に動いています。特に安定的な基幹電源を持つ原子力が再評価されており、AI運用に不可欠な24時間稼働型データセンターの電源として注目されています。


OpenAIのサム・アルトマン氏は核分裂技術企業Okloに出資し、Googleはケイロス・パワー社らと協力して50MW級原子力発電所「Hermes 2」を建設中、Microsoftもスリーマイル島原発再利用を検討中です。米国ではトランプ政権による原子力産業再興政策が追い風となり、原子力発電所の増設・再稼働が現実化の段階に入りつつあります。


中国でも2024年に国営の中国核融合エネルギー有限公司が発足し、2035年までに原子力発電比率を10%へ倍増させる目標を掲げています。証券各社は核融合開発への設備投資が「第15次五カ年計画」で本格化すると見ており、関連機器メーカーの受注拡大を予測。AI時代の計算力拡張は、もはや電力確保の競争でもあります。再エネ・核融合・原子力など次世代電源の開発と、電力供給網の刷新は、AI成長の持続性を左右する最重要テーマとなっています。



発売前から大ヒットの「智元精霊G2」――初日で10億元(約200億円)規模の受注を獲得


10月16日、智元机器人(ジユエン・ロボティクス)はオンライン発表会を開催し、次世代の産業向けインタラクティブエンボディドAIロボット「智元精霊G2」を正式発表、同日中に10億元(約200億円)規模の受注を獲得し、初回商用出荷も開始されました。


発表によると、精霊G2は産業規格に基づいて設計され、高性能アクチュエータと高精度トルクセンサー、空間認識システムを搭載。タスクの迅速な学習・展開をサポートし、マルチモーダル音声インタラクションに対応しています。これにより、工場、物流、ガイド業務など多様な現場ニーズに柔軟に適応可能です。


同日、智元机器人は均普智能(ジュンプー・インテリジェント)と共同で「精霊G2」のグローバル発表・量産開始式典を開催。同時に均勝電子(ジュンション・エレクトロニクス)との1億元超(約20億円超)の契約分の初回納品も完了しました。2023年11月に登場した前世代モデル精霊G1は、すでに累計出荷1,000台を突破しています。


智元机器人事業部総裁の姚卯青(ヤオ・マオチン)氏によると、新モデル精霊G2はG1のエコシステムを継承しつつ、機能と性能を全方位で強化。同社はG2を「ロボット界の全能力型戦士」と表現しています。G2は高性能関節アクチュエータ、多種センサー、高性能AI計算プラットフォームを搭載し、全方位障害物回避と高精度力制御作業を実現。腰部は3自由度を持ち、人間のように前屈・回転・側屈動作が可能です。


さらに世界初の「十字型リスト力制御アーム」を装備。全関節に高精度トルクセンサーを内蔵し、関節インピーダンス制御で外力を感知して柔軟に応答。5kgの荷重を1ミリ以下の精度)で操作できます。

実演では、生卵を押しても割れないほど繊細な制御性能を披露しました。



また、智元独自開発の基盤モデルGO-1(行動基盤大モデル)とGE-1(世界モデル)を統合し、複雑・長時間タスクへの対応力を大幅に向上。さらに、NVIDIA Jetson Thor T5000(最大2070 TFLOPS)を搭載し、リアルタイム処理・応答の遅延を10ミリ秒以下に抑えています。マルチユーザー対話機能も備え、知識ベースから個別解説を生成し、質問に即応答。話者の性格や声質も状況に応じて切り替え可能です。


ライブ配信では、精霊G2が自動車部品工場の生産ラインに配置され、シートベルトのロック芯製造を実演。人と協働しながら圧締や搬送などの工程を安全に完了しました。



姚卯青氏は、「工場は制御しやすく、タスクが明確な環境であり、ロボットの実用化に最適だ」と述べ、「G2によって人を反復・危険作業から解放し、創造的な仕事に集中させたい」と強調しました。

この日の量産式典で、均勝電子向け1億元規模の初回商用納品が完了。また、正式発表前から龍旗科技(ロンチー・テクノロジー)より約1,000台、数億元分の発注を受けており、まずはタブレット生産ラインに導入される予定です。

これにより、エンボディドAIロボットの量産・実運用時代が現実のものとなりつつあります。


 (中国の情報源に基づき編集)

 
 
 

株式会社コンスタンス

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